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学園長ブログ

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養老孟司氏の講演から

2012.07.09

養老孟司氏が今年2月にロータリークラブで講演した時の原稿を読んだ。エネルギーが不足してくる世の中になると、逆に人間の価値が上がるのだという。人はエネルギーを使い機械に頼り、お金で問題を解決するようになってきていた。しかし、エネルギーが今までのように使えない世の中では、その分を人が補わなければならない。人の価値が上がるのだ。
ユダヤ人で強制収容所に入れられていた作家のヴィクトール・フランクル(夜と霧の著者)が「人生の意味は自分の中にはない」と言っているのを引用して、戦後の日本の教育が目指した「個性とか自分とかを大切にしろ」と対比した。人は人との繋がりの中で生きてこそ、生きる意味があるのだと言っている。
私は目の前にいる人に手を差し伸べても人と繋がることができるが、自分というものを深く深く突き詰め、トコトン掘っていっても、人と繋がれると思っている。「個性とか自分とかを大切にしろ」の表面的な、中途半端な解釈が問題なのだと思う。