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学園長ブログ

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ブータン ワンチュク国王

2012.01.30

ブータンのワンチュク国王が来日した際に福島県の相馬小学校を訪問して話をしました。
「竜は一人ひとりの心の中にいます。
私たちは『人格』という名の竜を持っています。
竜は私たちみんなの心の中に居て、『経験』を食べて成長します。
だから、私たちは日増しに強くなるのです。
そして、感情をコントロールして生きていくことが大切です。 .
どうか自分の竜を大きく素晴らしく育ててほしい」 と。

とても深い話を非常に簡単に伝えられておられて驚きました。人格教育をきちんとしている国なのだと思いました。
「感情をコントロールして・・」のところは英語ではWe must always be in control of that dragon と表現されていました。訳が難しいところだと思い英文も書いておきます。
人は経験を通して成長する。まさにその通りだと思います。経験は多い方が良い。そして困難は逃げずに真っ向から向かって解決する経験となれば、それこそ力となるでしょう。
近頃の親御さんは、なるべくわが子に辛い経験をさせたくないと、「こうなったらどうしよう。ああなったらどうしよう」と先回りして、辛い思いをさせないようにしている傾向があります。そうして困ることもなく育ったとしても、どうしてその子たちが、人の役に立つ人間になり得るでしょうか。
最近また読売新聞にブータンに関する記事が載っていました。ブータンも近代化に向けて動いているようですが、ツルが飛来する標高3000メートルの山あいの村で、ツルのために電柱を立てることをやめて、費用も時間もかかる地中方式を選んだというのです。何年間か電気のない生活を続けなければなりませんが、村人はツルのためにそれを受け入れたそうです。その結果、観光客が増えたと記事は伝えていました。

幸福度ナンバーワンの国ブータンと聞いただけではピンときませんでしたが、国王の竜の話やツルの話を聞くと、しっかりした哲学のある国なのだと改めて感心しました。