学園長ブログ
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AI vs. 教科書が読めない子どもたち 新井紀子 緒
著者は「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトディレクタを務めた新井紀子さんだ。
人口知能はすでにMARCH合格レベルまできている。AIが台頭してくる中で人間はAIにできないことを出来なければ仕事が無くなる時代がくる。
AIが苦手なことは高度な読解力と常識、コミュニケーションや人間らしい柔軟な判断が要求される分野だ。
それなのに、今の子どもたちは教科書が読めていないという。一体どういうことなのか。
どのような文章が読めないのか、この本の中の例題を下記に紹介しよう。
【例題1】次の文を読みなさい。
火星には、生命が存在する可能性がある。かつて大量の水があった証拠が見つかっており、現在も地下には水がある可能性がある。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを1つ選びなさい。
かつて大量の水があった証拠が見つかっているのは( )である。
①火星 ②可能性 ③地下 ④生命 答え
【例題2】次の文を読みなさい。
義経は平氏を追いつめ、ついに壇之浦で亡ぼした。
上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。
平氏は義経に追いつめられ、ついに壇之浦で亡ぼされた。
①同じである ②異なる 答え
例題1で中学生の38パーセントしか答えられていない。例題2は58パーセントだ。
これでは授業が分かるわけがない。教科書を読んで分かる子は自分で勉強してドンドン伸びていけるが、教科書が分からない子はどの教科も学べない。
間違いなくAIが社会に入り込み、人間の仕事を奪っていく社会で生き残るために是非必要な読解力、どうしても伸ばさなければならない。
残念ながらその伸ばし方はまだハッキリ分かっれいだいていない。熟読や精読が効果的なのではと示唆はしているが・・・著者の研究に期待する他、教育現場でも様々試してみなければならない。
例題1、2とも正解は①です。