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学園長ブログ

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「絵」が浮かぶ作文

2019.09.17

「絵」が浮かぶ作文

2019年9月 学園長アッセンブリー

 夏休みにあったことを見たこと作文に書いてもらい毎年コンクールに送っていますが、LCA3年連続で賞をもらっています。今年も11月にコンクールに送ろうと思っていますので、皆さんの作文をとても楽しみにしています。そこで、今日は見たこと作文の書き方をもう一回おさらいしたいと思います。

 

 

これは、見たことパレットですね。絵を描くときもパレットの上に色々な絵の具を出して、それを使って絵を書きますね。見たことパレットは皆さんの見たことをたくさんパレットの上に並べておいて、その並べたことを使って作文を書きましょうというものです。

 左の四角には、夏休みにあった出来事の3つくらいを候補にあげてみましょう。その中で、一番自分が見たことをいっぱい書けそうだということを選んで、真ん中に書きます。まわりにはその出来事の中の場面を選んで、その場面で見たことを書いていきます。

見たこと=「見る」は、5sensesの中の1つで、他の、耳で「聞く」、鼻で「嗅ぐ」、舌で「味わう」、手で「触る」の中のどれでもいいので、そのことだけを書いていきましょう。

見たこと順に番号をつけて順番につなげていくと、作文が完成します。中には、読む人がおもしろいかなと思って、わざと順番を変えて書く方法もあります。それは読む人のことを考えた作戦です。だから、必ずしも順番通りでなくても構いません。

ここで、見たこと作文の代表、見たことがたくさんつまった作文を1つ紹介します。どこが見たことかなと考えながら聞いてください。

「ときょう走」(PDFでご覧いただけます)

すばらしい見たこと作文ですね。どうしてこれが見たこと作文の代表かというと、ピンクで線を引いたところが全部見たことで書かれているからです。

 

ほとんどが見たことで、どこにもくやしかったとか、悲しかったとか書かれていませんが、とても気持ちが伝わってきます。読んだときに心に感じるものがありますね。こういう見たこと作文を書いてほしいなと思っています。

 もう一つ、今日は今までお話ししなかったことを言います。それは自分の様子を書いているところのことです。

 緑のマーカーのところは 見たことではなく、書いた人の様子が書かれています。

 例えば「なみだが一つこぼれた」「ぼうしのつばを下げて、グラウンドの草をみていた」です。その時の自分がどんな様子だったかをもう一人の自分が見ている感じです。

 これも含めて「見たこと」なのですね。

 どうしてこの作文がみんなの心を動かすのかというと、「見たこと」を読むと読んだ人の頭にその時の「絵」が浮かぶからです。この「絵」が浮かぶということがポイントです。                                                                                                                

 写真をとった時のようにその時見たことを書いていく。そうすると、読む人にも同じような景色が浮かぶのです。読んだ人が、頭の中に「絵」が浮かぶかどうかがポイントなのです。したことを書いてもなかなか「絵」は浮かびません。心で撮った写真を言葉にして書く、それが見たこと作文です。

 これは作文だけではなく、大人になって誰かに何かを伝えたい、わかってほしいというときに、相手の頭に「絵」が浮かぶか、ということが大切です。相手の頭に「絵」が浮かび、相手の気持ちが動き、自分と同じ気持ちになった時、それが伝わるということになるのです。相手の人の心が動くようにイメージを伝えられる、そういう色々な言葉の使い方を学んでほしいと思います。

頭に「絵」が浮かぶ作文をぜひ書いてくださいね。皆さんの作文を読むことを楽しみにしています。