学園長ブログ
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なぜ本物の絵を飾るのか?
LCAの校内には、画家が描いた本物の絵が廊下や体育館など至るところに展示してあり、いつも子どもたちがその絵を見て楽しむ環境をつくっています。今の校舎ができて3年目ですが、1枚も絵が壊れたり落ちたりすることもなく、子どもたちは展示している絵をとても大切にしてくれています。
コピーなど印刷された絵でも、すごくキレイにできています。本物の絵を買うよりも、安価で手に入れることもできます。
では、なぜ本物の絵を飾っているのでしょうか?
印刷をしたものを虫メガネで拡大してみると、青・赤・黄色の点でできています。プリンターなどでは、シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックという4色の点でできています。私たちは、それらの点を遠くから見ることで、いろいろな絵になって見えるのです。
また、TVの画面を拡大すると赤・黄色・青とやっぱり3つの色しかありません。それが明るくついたり暗くなって消えたり、いろんなつきかたをしていろんな色に見えるようになっているのです。だから、キレイに見えるんだけど、実は3つの色しか見ていないのです。いろんな色があるように見えているだけなのです。
いっぽうで、本物や自然には、無限の色があります。
ある科学者によると、森の木の緑色を見ていると脳のパワーが上がりますが、写真に写った森を見ても、脳に変化は起こらないようです。
したがって、本物の絵を見ることと、写真やTV、映画など複製されたものを見ることは違うのです。つまり、見ているだけで身体や脳がいろいろと刺激されるのは、本物だけなのです。だから、私は本物の絵を飾っているのです。
本物を見た体験は、意識をしなくても身体の中に吸収されていき、どういう人間になっていくかに影響を及ぼすでしょう。
絵画だけでなく、音楽も同じことが言えます。LCAでは毎月コンサートを行っています。音楽はCDやスマホでもきけますが、そこから聞こえるのは本物の何パーセントだけで、全ての音は入っていません。
本物をみなさんに聴いて欲しいから、本物の演奏会を行っています。だから、聞いたものは全て、みなさんの身体と心の中に残っているのです。それが、みなさんの心を育てていくと私は信じています。
LCAの体育館にはピアノがありますが、そのピアノは私が54才でピアノを始めたときに買ったピアノで、みなさんに自由に弾いて欲しいとおもってピアノを置いています。休み時間や雨の日など、どうぞ弾いてください。ピアノを弾いている人の周りにみんなが集まってきて、お話をしたり歌ったりしていると嬉しいです。
2017.10.4 アセンブリーより