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学園長ブログ

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自分の言葉で

2012.10.16

BUNKAMURAシアターコクーンの初代芸術監督を務めた串田和美(くしだかずよし)さんが「コクーン歌舞伎」で歌舞伎の演出をした時「歌舞伎通ぶった用語ではなく、自分の言葉を使う」ことを自らに課したという。まつもと芸術館を建設する際に反対派の方とも「自分の理解できる言葉だけで話した」と。

少し前は田原総一郎さん、最近は池上彰さんの話を聞くのが分かりやすく楽しい。田原さんは「サンデープロジェクト」の中で、難しい言葉で話す人には「僕はバカだから、やさしく言ってくれない?」と問い返していた。池上さんはNHKの子どもニュースの初代お父さん役だったので、小学生にも分かるように話をする。

お二人とも、現地に足を運び取材をする行動力に優れ、よく勉強されていて、本当に賢い人なのだと感心する。私の尊敬する人物である。

しかし、やさしく話をできる人、やさしく理解できる文章は身の回りに驚くほど少ない。今や分からないことはインターネットで調べればいくらでも情報は出てくるのだが、読むほどに分からなくなる文章や、初めからこれは無理だと読まずに済ませてしまうものが多く、調べてもすっきりしないこともある。

私は相模女子大学で「子ども学」の講義をしているが、前期の講座受講生から、もっと板書をしてほしい、プリントが欲しいという感想があった。学生には板書を写すのではなく自分が理解したことを自分の言葉でノートをとり、内容を自分の言葉で人に伝えられる力をつけてほしいと思っている。

講義をする私自身は本を読んでも分からない、ネットで調べても分からないことがスッキリ分かる講義を心がけていこうと思っている。