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学園長ブログ

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松本清張原作「市長死す」を見て

2012.04.15

松本清張原作の「市長死す」がドラマ化された。悪女を扱ったサスペンスだ。このドラマに「可哀そうと思わせた方が勝ち」というというセリフがでてくる。可哀そうと思わせれば相手を自分の思うように扱えるということだろう。ドラマの中での悪女、芳子は見事に可哀そうな女を演じて、人を陥れていく。
怖いと思ったのは、人には無意識のうちに「可哀そうと思わせる」習性があるのではないかと思うことがあるからだ。男女間でも、商売でも、子どもがお母さんに何かを訴える時にもそう感じることがある。
わが子が如何に自分は可哀そうかを訴えてくると、親はこの子のために力になろうとするのは当然であろう。しかし、人にはそういう傾向があるのだと知った上で、事の真相を知ろうとすると、多少なりとも親としてとる行動が変わる可能性がある。親としては子どもの言葉から、さまざまに情報も得て、しっかりしたコミュニケーションをとりながら子育てをしていく必要がある。
わが子を信じるとは、子どもの言葉を無条件に信じることではない。まずは、子どもがいつでも本当のことを言える環境づくりをし、本当のことを言えた時に褒め、困ったことでも何時でも一緒に考えて解決するから大丈夫だという姿勢を示すことが大切だ。子どもを信じるというよりは、親子の信頼関係を築くことを大切にしたい。
弱き者、困っている人を助けようとする美しい気持ちを例え無意識にでも利用するようなことを許してはいけない。子どもを持つ親御さんには毅然とした態度でしっかりと子どもの言葉を受け止めて欲しいと思う。