便利でストレスの多い時代　～幸せに生きるために～

2019年9月　学園長エデュケーショナルレクチャー（要約）

 昨今、便利だけど、すごくストレスの多い時代になったと感じます。

私も今では穏やかですが、若い頃はすぐカッとなるタイプで、そんな自分が嫌で怒りの感情がなくなればいいのにと思っていました。最近では、怒りの感情がなくなることはないものの、なるべくそれを早く切りかえれば楽しく生きられるようになっています。

どんな時に自分がイライラするかと思い返すと、車を運転している時に嫌な気持ちになることが多いです。交差点の優先道路やパッシングなど、クラクションは本当に嫌ですね。

そこで、車とSNSって共通点がないかなと考えてみると、車は車という箱に守られていて、普段出せないような自分を出せたりします。普段優しいのに、車に乗ると別人になってすごい運転をするような人、いますよね。SNSも対面じゃないので、普段言えないことも言えてしまうことがあると思います。守られた世界の中では人間の本性が現れるのです。だから、対面できちんと付き合えるコミュケーション力が必要なのです。本来は人と人とがつながることは、これ以上に楽しいことはないと思います。

人生の一番の喜びの中に「人とつながること」があります。本当の自分、素の自分を出すと、相手も素の自分を出してくれる、そこで本当につながったと感じ、これに勝るものはないと思っています。人生の中でそういうつながりをどれだけ持てるかが人生の豊かさなのではと。

 本当に人と人がつながるためには何が必要なのでしょうか。

人間には自分の領域＝バリアーがあって、そこを物理的に侵されると不快に思います。同じように、価値観のバリアーというのもあると私は思います。自分が正しいと思っている考えの中で生きているので、違う価値観を持った人に、自分の価値観を侵されると嫌なのです。では、その価値観＝自分が正しいと思っていることはみんな一緒でしょうか。たぶん、違いますよね。日本人が正しいと思っていることが世界中正しいかといえば、それはどうか分からない。正しいは一つではないのです。そしてこの正しいかどうかを基準に生きていると、とても生きにくいのです。だから、LCAでは正しい・間違っている、良い・悪い、で判断しないという教育をしています。どちらが正しいかで話し合うと平行線になるし、あまり解決には至りません。

スターウォーズという映画がありますね。そこにダースベーダーのいる悪のサイド（＝ダークサイド）があります。恨み、ねたみ、悪口などに支配される世界ですが、このパワーはものすごく強く、この世界で生きてしまうと全く楽しくありません。ではこの強いパワーに支配されないためにはどうしたらいいのか。映画ではそれと戦うのはフォースの世界ですが、ではフォースとは、ダークサイドの反対側とは何でしょう。

幸福、喜び、寛容、色々な意見があると思いますが、私は愛だと思います。

「かみさまは小学5年生」という本があります。この本の内容が全くフィクションであっても、読むとホッとして優しい気持ちになれるおすすめの本です。その本を読んでから、私も人間界を空から見ている神さまのような存在になって考えてみるようにしています。神様の判断はだれも不幸にしないそうなのです。だれかを傷つけたり、嫌な思いをさせたり、懲らしめてやろうというのは神様的な考え方じゃない。愛や幸せ、喜びに基づいた考え方をすれば、だれも傷つかずに世の中は少しずつ良くなるのではないかと思うのです。

何かがあったときは、これはみんなが幸せになるのかな、嫌な思いをする人はいないのかなということを少し考えながら日々生きていくと、自分自身本当に幸せになり、怒りの感情の部分がぎゅっと凝縮されて少なくなっていきます。そして、結構大変なことですが、人の幸せを本気で喜べるようになると、色々なことが変わっていくように思います。

 エデュケーショナルレクチャー動画は下記よりご覧いただくことができます。