株式会社エデューレエルシーエー

EDURE GROUP

学園長ブログ

学園長ブログ

藤原正彦氏講演会「日本再生への道」

2015.03.23

藤原正彦氏の「日本再生への道」と題する講演を聞いてきた。

日本再生の鍵は日本人が本来持っている「人間性」を再認識し磨くことだという内容だった。

冷戦時代は資本主義の成功者としてアメリカは日本の味方だったが、冷戦終結後は経済的な敵とみている。1990年代後半からの様々な改革は日本人が本来持っていた強みを無くすためのアメリカの政策だと考えると辻褄が合うのだという。

東日本大震災後の日本人の行動は世界から賞賛されるものがあった。それは世界が驚き恐る日本人の強みであるのだ。この強み「人間性」を意識し、磨いていくことが大切なのだ。

人間性の要素は ①教養 ②(人間としての)型 ③情緒だという。

「教養」は経験から学ぶのが良いが、経験には限界があるので読書で補う必要がある。読書を通して過去の賢人と会話をすることもできれば、人の様々な気持ちも感じることができる。

「型」とは正義感や勇気、惻隠などを理屈でなく体に染み込ませること。

「情緒」とは美的感受性を磨くことである。虫の声や短期間に美しく咲きサッと散る桜に儚さを感じられるのは日本人の特権である。自然や音楽、美術を通してこの情緒を磨くことが人間性を高めることにつながる。

この三つの要素を意識しみがくことで人間性を高めることこそ日本再生への道である。

「人間として素晴らしく魅力があることが国際人としての第一歩である」「日本人が持っている自然を恐れ敬い自然と共に生きる生き方を世界に広めることが日本人のするべきことである」ということも印象的であった。

小学校時代の教育に関しては「自ら本に手を伸ばす子」さえ育てられればそれで良い」と言っていた。