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学園長ブログ

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「見たこと作文」と「スマートフォンで変わる親子関係」、「ゲームが脳へ及ぼす影響」

2016.10.28

今日のレクチャーでは、まず「見たこと作文」についてお話しします。

おかげさまで10月10日付で「親子でつくる見たこと作文」という書籍を発売することができました。

この本は作文講座や作文同窓会も参考にさせて頂き、今までのマインドマップに新しい要素を入れた「見たことパレット」という新しい図を掲載しました。場面ごとに見たことを書いていくものです。

まず思いついた場面を書いていき、見たことを書いていきます。順番を書く欄もつけました。時系列に沿って番号をつける欄です。最初のうちは番号通りに書いてみましょう。慣れてきたら、敢えて順番を変えて書くのも良いでしょう。

場面ごとに書くという考え方と、順番に番号をつける欄ができたことで、誰でも表現豊かな作文が書けるようになりました。

普通は作文の書き方は指導されていないので、この本を是非広めて、だれでも作文を楽しく書けるようになってもらいたいと思います。

またこの書籍の第二弾として、家族のコミュニケーションについての書籍を作ろうと原稿を執筆中です。併せて、コミュニケーション講座の開催も考えており、10名前後の座談形式で普段困っていることなどを話す機会にしようと考えています。開催の際にはご協力をお願いします。

現在、教育の世界では「英語、英語」と盛んに言われていますが、次は「コミュニケーション」と言われる時代が来ると予想しています。そのためにもコミュニケーションの本を作ろうとしています。

最後に大きな時代の流れについてお話をしますと、「コミュニケーション」の次は「感性」が大切と言われる時代が来ると考えています。また、今の小学生たちが受ける時期の大学入試も知識ではなくコミュニケーション力や直感力を含めた「人間性」を問われる試験として大きく変わると予想しています。

次に「スマートフォンで親子関係が変わりつつあること」についてお話しします。

親がスマホを使いながら子どもに返事をしている場面を見ます。これは「プチ虐待」と呼ばれています。この場合、子供は無視された感覚を持ちます。呼び掛けたのに、ちゃんと聞いてくれていないと感じるのです。

某無料通話アプリの着信音も親子関係に多大な影響を及ぼしています。着信音や既読機能に常に気にしているという点です。

ある学者の実験で、集中して物事を行う時にアプリの着信音が聞こえると、脳の働きが非常に乱れることがわかっています。つまり親が着信を気にしていると、子供とのコミュニケーションに集中できなくなるということです。このことをぜひ分かってほしいと考えています。

次に「子どもがゲームを遊ぶ時の脳への影響」についてお話しします。これは先日のアセンブリーでも子どもたちに伝えてあります。

人間の脳には、感情をコントロールする「前頭葉」という部分があります。感情をコントロールする部分です。

テレビゲームは認知症予防や視覚を発達させるという研究もある一方で、この前頭葉を発達させなくなるという研究が注目されています。テレビゲームの種類にもよるのでしょうが、視覚から直接運動神経に連絡がいくので、前頭前野を通過しないのです。

逆にボーとして考え事をしていたり、様々な事に迷ったりする時は前頭前野が活発に動いています。そのような時間が人間らしい時間なのかもしれません。

またゲームの中毒性の問題もあり、一度ゲームをやってしまうと、止めさせるのが物凄く大変になります。だから今やっていないのであれば、小学校の時はそのままやらずに過ごすことをお勧めします。もし今ゲームをやっているのであれば、時間配分を家族で考えて下さい。

平日にスマホやタブレットをやる人は、使用時間が長くなればなるほど成績が落ちてしまうという調査結果があります。また、勉強の時間を増やしてもスマホやタブレットをやっていると、全く勉強していない人と同じ成績になるというデータもあります。つまり勉強していることが身につかなくなってしまうということです。

LCA国際小学校は、このような問題に対して学校と保護者が一緒になって取り組める学校だと思っています。ただ禁止するのではなく、学校や家庭で子どもたちと話をし、子どもたちが気づき考えながら良い方向に持っていければと考えています。

2016年10月 学園長エデュケーショナルレクチャーより