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学園長ブログ

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90歳にして変わった母

2015.04.04

母は今年90歳になった。父が20年前に亡くなってから一人暮らしである。

一週間に一度、母を訪ねて夕食を共にする。2年ほど前までは母の作る料理を食べていた。ここのところ足が不自由になり料理もつくらなくなったので、ファミレスや伊勢丹のレストランで食事をすることにしている。

以前は実家に行って母と会うのは「修行」だと思っていた。一日の仕事を終えて実家に着いた途端、心配事と口癖の「嫌になっちゃう!」の連打。言いたいことが溜まっているのだろうが、こちらはドット疲れる。他の場所ではめったに腹も立たないし、イライラもしない私だが、母にだけは「いい加減にしてくれ!」と言いたくなる。だがそれを言わないから「修行」だと思っていた。

「人は口癖で言っているような人間になる」という。本当にそうだと実感する。思い切って言ってみた「『嫌になっちゃう』を止めようよ!」「幸せだと思っているならそれを口に出そう!」言っても変わらなかったと、暫く思っていたある時、自分が穏やかな気持ちで母と過ごしていられていることに気づいた。

母は意識して「嫌になっちゃう!」を言わなくしたのだ。まだまだ、嫌味ととれるような事は毎回のように口にする。毎週食事に出ていても「こんな料理ひさ〜しぶりだから美味しい」とか「食べたことがない」とか…。「先週も食べたよね!」と心の中で思うが聞き流す。母の言葉に意味づけしているのは自分である。自分が嫌味だと取らなければそれだけの話である。たぶん母に他意はない。

毎週、穏やかな時を母と過ごしている。「私は生きていてもいいのか?」と時々尋ねられる。「長生きしてください」こんな時間が持てるのだから。結構、最高の思い出として残るのは今のこのような時間なのかもしれない。